「うちの子、最近なんだか寝てばかりいるな…」「前はあんなに喜んで散歩に行っていたのに、最近は行きたがらない…」
愛犬のそんな変化に、気づいていませんか?もしかしたら、それはシニア期に入ったサインかもしれません。
小型犬は、大型犬に比べて寿命が長い傾向がありますが、その分、シニア期も長くなります。愛犬がシニア期を健やかに過ごすためには、飼い主さんの早めの対策が重要です。
「でも、具体的に何をすればいいの?」
そんな疑問にお答えするために、この記事では、小型犬のシニア期の特徴や、老化のサイン、食事でサポートするポイント、おすすめの食材と避けたい食材、そして簡単レシピまで、詳しく解説します。
愛犬の「いつまでも元気でいてね!」という願いを叶えるために、今日からできるエイジングケアを始めましょう!
「あれ?うちの子、もしかしてシニア期?」…気づきが大切!
小型犬のシニア期はいつから?
一般的に、小型犬は7歳くらいからシニア期に入ると言われています。 しかし、犬種や個体差によって、シニア期に入る時期は異なります。
「うちの子はまだ若いから大丈夫」と思わず、日頃から愛犬の様子をよく観察し、小さな変化に気づいてあげることが大切です。
見逃さないで!老化のサイン
老化のサインは、様々な形で現れます。
行動の変化
- 寝ている時間が増えた
- 散歩に行きたがらない、歩くのが遅くなった
- 段差を嫌がるようになった
- 呼んでも反応が鈍い、ぼーっとしていることが多い
- トイレの失敗が増えた
- 夜鳴きをするようになった
体型の変化
- 太りやすくなった、または痩せてきた
- 筋肉が落ちてきた
- 毛並みがパサパサしてきた、毛艶がなくなってきた
- 白髪が増えた
被毛の変化
- 被毛が薄くなってきた
- 皮膚が乾燥してきた
- 皮膚にイボなどができるようになった
食事の変化
- 食欲がない、またはムラがある
- 食べる量が減った
- 硬いものが食べにくくなった
- 水を飲む量が増えた、または減った
これらのサインに一つでも当てはまる場合は、シニア期に入っている可能性があります。 早めに獣医さんに相談し、健康状態をチェックしてもらいましょう。
なぜ?小型犬のシニア期に起こる体の変化
小型犬のシニア期には、以下のような体の変化が起こります。
代謝の低下: 基礎代謝量が低下し、若い頃と同じ量の食事を与えていると、肥満になりやすくなります。
消化機能の低下: 消化酵素の分泌量が減少し、消化不良を起こしやすくなります。 また、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう:便を押し出す動き)も弱くなり、便秘になりやすくなります。
筋力の低下: 筋肉量が減少し、運動能力が低下します。
関節のトラブル: 関節の軟骨がすり減ったり、変形したりすることで、痛みや炎症を引き起こしやすくなります。
免疫力の低下: 免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。
感覚機能の低下: 視力、聴力、嗅覚、味覚などが衰え、食欲が低下することがあります。
早めの対策で、健康寿命を伸ばそう!
愛犬の老化は、誰にも止めることはできません。 しかし、早めの対策を講じることで、老化の進行を緩やかにし、健康寿命を伸ばすことは可能です。
「まだ大丈夫」と思わず、愛犬の小さな変化に気づき、適切なケアをしてあげることが、飼い主さんにできる最大の愛情表現です。
シニア期を健やかに!食事でサポートする3つのポイント
ポイント1:消化吸収の良い食事で、内臓への負担を軽減!
シニア犬は、消化機能が低下しているため、消化吸収の良い食事を与えることが重要です。
柔らかく調理する: 硬いフードは、消化しにくいため、お湯や水でふやかしたり、ウェットフードに切り替えたりするなどの工夫が必要です。 食材も、柔らかく煮たり、細かく刻んだりして、消化しやすくしましょう。
少量ずつ、回数を多く: 一度にたくさんの量を食べると、消化器官に負担がかかります。 1日の食事量を数回に分け、少量ずつ与えるようにしましょう。
消化酵素をプラス: 市販の消化酵素サプリメントなどを活用して消化を助ける。
ポイント2:栄養バランスを整えて、健康を維持!
シニア犬は、若い頃とは必要な栄養素のバランスが異なります。
良質なタンパク質
筋肉量の維持や、免疫力アップのために、良質なタンパク質をしっかり摂りましょう。 鶏ささみ、胸肉、白身魚、豆腐などがおすすめです。
適度な脂質
脂肪は、エネルギー源となるだけでなく、細胞膜やホルモンの材料にもなります。 しかし、摂りすぎると肥満の原因になるため、注意が必要です。 良質な脂質(魚油、亜麻仁油など)を適度に摂りましょう。
食物繊維
便秘予防や、腸内環境を整えるために、食物繊維を適度に摂りましょう。 野菜や海藻、きのこなどがおすすめです。
ビタミン・ミネラル
体の機能を正常に保つために、ビタミン・ミネラルをバランス良く摂りましょう。 色の濃い野菜や果物、海藻などに多く含まれています。
抗酸化物質
老化の原因となる活性酸素を除去するために、抗酸化物質を積極的に摂りましょう。 色の濃い野菜や果物(カボチャ、ニンジン、トマト、ブルーベリーなど)に多く含まれています。
ポイント3:水分補給を忘れずに!脱水症状を防ぐ
高齢犬は、喉の渇きを感じにくくなるため、脱水症状を起こしやすくなります。
いつでも新鮮な水が飲めるように: 常に新鮮な水を用意し、愛犬がいつでも自由に飲めるようにしましょう。 水飲み場を複数箇所に設置するのもおすすめです。
食事からも水分補給: ウェットフードや、スープなどを活用して、食事からも水分を摂取できるように工夫しましょう。
シニア犬におすすめの食材&避けたい食材
おすすめ食材:鶏むね肉・ささみ(皮なし)
低脂肪・高タンパク質で、消化しやすく、シニア犬におすすめの食材です。
おすすめ食材:白身魚
タラ、カレイ、ヒラメなど、低脂肪・高タンパク質で、消化しやすい白身魚もおすすめです。 DHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸も豊富です。
おすすめ食材:豆腐・納豆
植物性タンパク質が豊富で、消化しやすい食材です。 ただし、大豆アレルギーを持つ犬には与えないようにしましょう。
おすすめ食材:カボチャ・サツマイモ
食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で、消化しやすい食材です。 甘みがあるので、食欲がない時にもおすすめです。
おすすめ食材:葉物野菜(小松菜・ホウレンソウなど)
ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。 細かく刻んで、加熱してから与えましょう。
おすすめ食材:海藻類
ミネラルが豊富で、腸内環境を整える効果も期待できます。 細かく刻んで、少量ずつ与えましょう。
避けたい食材:脂肪分の多い肉
バラ肉、ひき肉など、脂肪分の多い肉は、消化が悪く、肥満の原因にもなります。
避けたい食材:骨
骨は、消化が悪く、喉や消化管を傷つける可能性があります。 特に鶏の骨は、鋭く割れるため、絶対に与えないでください。
避けたい食材:消化の悪いもの
硬い野菜(ゴボウ、レンコンなど)、豆類(消化しにくい種類もあるため注意)は、消化不良の原因となることがあります。
避けたい食材:塩分・糖分の多いもの
人間の食べ物(味付けが濃いもの)、犬用のおやつ(与えすぎに注意)は、塩分や糖分が多く、肥満や病気の原因となることがあります。
避けたい食材:中毒性のあるもの
ネギ類(ネギ、タマネギ、ニラなど)、チョコレート、ブドウ、レーズン、アボカド、キシリトールは、犬にとって中毒性のある食材です。 絶対に与えないでください。
我が家の愛犬レシピ!シニア犬の健康をサポートする簡単レシピ
ここでは、シニア犬向けの簡単レシピを紹介します。
材料(作りやすい分量)
- 鶏むね肉(皮なし)…50g
- 白身魚(タラ)…50g
- カボチャ…30g
- ニンジン…20g
- 小松菜…10g
- 白米(柔らかく炊いたもの)…50g
- 水…200ml
- 亜麻仁油…小さじ1/2
作り方
- 鶏むね肉と白身魚は、小さく切る。
- カボチャ、ニンジン、小松菜は、柔らかく茹でて、細かく刻む。
- 鍋に、鶏むね肉、白身魚、カボチャ、ニンジン、小松菜、水を入れて、煮る。
- 鶏むね肉と白身魚に火が通ったら、白米と亜麻仁油を加えて、混ぜ合わせる。
与える際の注意点
- 人肌程度に冷ましてから与えましょう。
- 初めて与える場合は、少量から始め、様子を見ながら徐々に量を増やしていきましょう。
- アレルギーを持つ犬には、アレルゲンとなる食材は避けてください。
- このレシピはあくまで一例です。愛犬の体調や好みに合わせて、食材や量を調整してください。
まとめ: 愛情と工夫で、シニア犬の「美味しい!」と「元気!」をサポート
愛犬がシニア期に入ったら、食事の内容を見直すことが大切です。 今回ご紹介した情報を参考に、
- 消化吸収の良い食事を与える
- 栄養バランスを整える
- 水分補給をしっかり行う
など、愛犬に合った食事を心がけましょう。 手作り食に挑戦するのも良いですし、「シニア犬向けに開発された高品質なフード」や、「獣医師が推奨する栄養バランスの取れたフード」なども、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
愛犬の「美味しい!」という笑顔と、「いつまでも元気でいてね!」という願いを叶えるために、今日からできる食事の見直しを始めましょう!