「愛犬が体を痒がってばかりいる…」「皮膚が赤く炎症を起こしている…」「下痢や嘔吐を繰り返している…」
愛犬のそんな症状に、心当たりはありませんか?もしかしたら、それはアレルギーかもしれません。
犬のアレルギーは、年々増加傾向にあり、多くの飼い主さんを悩ませています。特に、食物アレルギーは、犬のアレルギーの中でも最も多いと言われており、食事の見直しが不可欠です。
「でも、どんなフードを選べばいいのかわからない…」
そんな悩みを抱えている飼い主さんのために、この記事では、犬のアレルギーの原因や症状、食物アレルギー対策、アレルギー対応フードの選び方、そして食事以外の生活習慣の見直しポイントまで、詳しく解説します。
愛犬の辛いアレルギー症状を和らげ、健やかな毎日を取り戻すために、今日からできるアレルギー対策を始めましょう!
「痒がる姿がかわいそう…」愛犬のアレルギー、食事で何とかしたい!
犬のアレルギー、なぜ起こる?
アレルギーとは、体内の免疫システムが、本来無害な物質(アレルゲン)に対して過剰に反応してしまう状態のことです。
犬のアレルギーの原因は、様々ですが、主なものとしては、
食物アレルギー: 特定の食品に含まれるタンパク質がアレルゲンとなり、アレルギー反応を引き起こします。 牛肉、鶏肉、乳製品、小麦、卵、大豆などが、主なアレルゲンとして知られています。
環境アレルギー(アトピー性皮膚炎など): ハウスダスト、花粉、カビ、ノミなどの環境中の物質がアレルゲンとなり、アレルギー反応を引き起こします。
接触性アレルギー: シャンプー、洗剤、植物、金属などの物質が皮膚に接触することで、アレルギー反応を引き起こします。
などがあります。
見逃さないで!愛犬のアレルギーサイン
アレルギーの症状は、アレルゲンや犬の体質によって異なりますが、主な症状としては、以下のものがあります。
皮膚の症状
- かゆみ: 体、顔、耳、足先などを頻繁に掻いたり、舐めたりする。
- 赤み、湿疹、発疹: 皮膚が赤くなったり、湿疹や発疹が出たりする。
- 脱毛: 毛が抜けたり、薄くなったりする。
- フケ: フケが増える。
消化器の症状
- 下痢、軟便
- 嘔吐
- 食欲不振
その他の症状
- 目の充血、涙目
- くしゃみ、鼻水
- 呼吸困難
- 外耳炎
これらの症状に一つでも当てはまる場合は、アレルギーの可能性があります。 早めに獣医さんに相談しましょう。
もしかして食物アレルギー?
愛犬のアレルギーの原因が特定できない場合、まずは食物アレルギーを疑ってみましょう。
食物アレルギーは、特定の食品に含まれるタンパク質が原因で起こります。 愛犬が普段食べているフードの原材料をチェックし、アレルゲンとなりやすい食材が含まれていないか確認してみましょう。
アレルギー検査って必要?
愛犬のアレルギーの原因を特定するためには、獣医さんによるアレルギー検査が必要です。
アレルギー検査には、
- 血液検査: 血液中のIgE抗体(アレルギー反応に関与する抗体)の量を測定します。
- 皮膚検査: 皮膚にアレルゲンを少量注射し、反応を見る検査です。
- 除去食試験: 特定の食材を除去した食事を与え、症状の変化を見る検査です。
などの方法があります。
どの検査が適切かは、愛犬の症状や獣医さんの判断によって異なります。 まずは獣医さんに相談し、適切な検査を受けるようにしましょう。
愛犬のアレルギー対策、食事でできること
食物アレルギーの基本は「アレルゲン除去」
食物アレルギーの治療の基本は、原因となるアレルゲンを食事から除去することです。 これを「除去食療法」と言います。
「アレルゲンを除去するって、具体的にどうすればいいの?」
獣医さんと相談しながら、愛犬に合った除去食療法を進めていきましょう。
アレルゲンを除去したフードの種類
アレルゲンを除去したフードには、いくつかの種類があります。
加水分解タンパク質フード
タンパク質を、アレルギー反応が起こりにくいように、細かく分解(加水分解)したフードです。 様々なメーカーから販売されており、比較的入手しやすいのが特徴です。
新奇タンパク質フード
愛犬が今まで食べたことのないタンパク質源(例:鹿肉、ラム肉、魚など)を使用したフードです。 アレルゲンとなる可能性が低いタンパク質を選ぶことで、アレルギー反応を抑えることを目的としています。
アミノ酸食
タンパク質を、最小単位であるアミノ酸まで分解したフードです。 最もアレルギー反応が起こりにくいフードですが、嗜好性が低く、高価であるというデメリットがあります。
食事療法、いつまで続けるの?
除去食療法は、獣医さんの指示のもと、一定期間続ける必要があります。 期間は、犬の症状やアレルギー検査の結果によって異なりますが、一般的には、数週間から数ヶ月間続けることが多いです。
症状が改善したからといって、自己判断で食事療法を中止するのはやめましょう。 必ず獣医さんの指示に従ってください。
食事療法中の注意点
おやつや人間の食べ物はNG!: 食事療法中は、指定されたフード以外は与えないようにしましょう。 おやつや人間の食べ物には、アレルゲンが含まれている可能性があります。
家族全員で協力!: 家族の誰かが、こっそりおやつや人間の食べ物を与えてしまうと、食事療法の効果が台無しになってしまいます。 家族全員で協力し、徹底してアレルゲンを除去しましょう。
根気強く続ける!: 食事療法は、効果が出るまでに時間がかかることがあります。 諦めずに、根気強く続けましょう。
愛犬にぴったりのフードは?アレルギー対応フード選びのポイント
パッケージのココをチェック!原材料表示の見方
アレルギー対応フードを選ぶ際は、まず、パッケージの原材料表示をチェックしましょう。
原材料は、使用量の多い順に記載されています。 愛犬のアレルゲンとなる食材が含まれていないか、必ず確認しましょう。
「でも、原材料表示って、見てもよくわからない…」
そんな方のために、原材料表示の見方と、注目すべきポイントを解説します。
タンパク質源: 肉、魚、卵、乳製品、大豆など、タンパク質源となる食材をチェックしましょう。 「チキンミール」「ミートミール」などの曖昧な表記は、アレルゲンが特定できないため、避けた方が良いでしょう。
穀物: 小麦、トウモロコシ、米などは、アレルゲンとなる可能性があります。 穀物不使用(グレインフリー)のフードを選ぶのも良いでしょう。
添加物: 人工着色料、人工香料、保存料などの添加物は、アレルギーの原因となることがあります。 できるだけ添加物の少ないフードを選びましょう。
「無添加」って本当に安全?
「無添加」と表示されているフードは、一見安全そうに見えますが、注意が必要です。
「無添加」の定義は、メーカーによって異なります。 「人工着色料無添加」「人工香料無添加」など、一部の添加物のみを使用していない場合もあります。
「無添加」という言葉だけに惑わされず、必ず原材料表示をチェックし、愛犬にとって安全なフードを選びましょう。
グレインフリー、グルテンフリーって何?
グレインフリー: 穀物全般(米、小麦、トウモロコシ、大麦など)を使用していないフードのことです。
グルテンフリー: グルテン(小麦、大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質の一種)を含まないフードのことです。
グレインフリーやグルテンフリーのフードは、穀物アレルギーを持つ犬に適しています。 しかし、穀物アレルギーでない犬にとっては、必ずしも必要ではありません。
信頼できるメーカーを選ぼう!
アレルギー対応フードは、様々なメーカーから販売されています。 信頼できるメーカーを選ぶためには、以下のポイントを参考にしましょう。
情報開示がしっかりしている: 原材料、製造工程、品質管理など、情報を積極的に開示しているメーカーは、信頼できる可能性が高いです。
獣医師や専門家と連携している: 獣医師やペット栄養管理士などの専門家と連携して、製品開発を行っているメーカーは、より安心です。
お客様相談室がある: お客様相談室があり、質問や相談に丁寧に対応してくれるメーカーは、信頼できます。
食事以外にも!愛犬のアレルギー対策、生活習慣の見直しポイント
皮膚を清潔に保つ!シャンプー&ブラッシング
アレルギー性皮膚炎の犬は、皮膚のバリア機能が低下しているため、皮膚を清潔に保つことが重要です。
シャンプー: 低刺激性のシャンプーを使用し、獣医さんの指示に従って、適切な頻度でシャンプーしましょう。 シャンプー後は、しっかりとすすぎ、ドライヤーで乾かすことが大切です。
ブラッシング: 毎日ブラッシングを行い、皮膚の汚れや抜け毛を取り除きましょう。 ブラッシングは、血行促進や、皮膚の新陳代謝を促す効果もあります。
ストレスを軽減!快適な環境づくり
ストレスは、アレルギー症状を悪化させる要因の一つです。 愛犬がリラックスできる、快適な環境を整えましょう。
十分な睡眠: 愛犬が安心して眠れる場所を用意し、十分な睡眠時間を確保しましょう。
適度な運動: ストレス発散のために、毎日適度な運動をさせましょう。
安心できる居場所: 愛犬専用のクレートやベッドなど、安心できる居場所を用意しましょう。
獣医さんと連携!定期的な健康チェック
アレルギーは、完治が難しい病気です。 獣医さんと連携し、定期的な健康チェックを受け、症状の変化に合わせて適切な治療を受けることが大切です。
まとめ: 愛情と知識で、愛犬のアレルギーに立ち向かおう!
愛犬のアレルギーは、飼い主さんにとって、本当に辛いものです。 しかし、諦めずに、適切な対策を講じることで、症状を緩和し、愛犬のQOL(生活の質)を向上させることができます。
今回ご紹介した情報を参考に、
- アレルゲンを除去した食事を与える
- 皮膚を清潔に保つ
- ストレスを軽減する
- 獣医さんと連携する
など、愛犬に合ったアレルギー対策を実践してみてください。
そして、高品質な原材料を使用し、アレルゲンに配慮した「アレルギー対応フード」や、特定のタンパク質源を使用した「低アレルゲンフード」なども、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
愛犬の笑顔と健康のために、飼い主さんにできることはたくさんあります。 愛情と知識で、愛犬のアレルギーに立ち向かいましょう!