「昨日まであんなにガツガツ食べていたのに、今日は全然食べてくれない…」「おやつは食べるのに、フードは残す…」「どこか具合が悪いのかな…」
愛犬の食欲不振は、飼い主さんにとって、とても心配なものです。 犬の食欲不振の原因は様々で、一時的なものから病気が隠れている場合まであります。
「どうすれば、愛犬の食欲を取り戻せるの?」
そんな悩みを解決するために、この記事では、犬がご飯を食べない原因、飼い主さんができること、食欲がない時のフード選びのポイント、簡単レシピ、そして獣医さんに相談すべき症状まで、詳しく解説します。
愛犬の「美味しい!」という笑顔と健康のために、今日からできる食欲不振対策を始めましょう!
「どうして食べてくれないの…」愛犬の食欲不振、原因は一つじゃない!
愛犬がご飯を食べない原因は、一つとは限りません。 様々な原因が考えられるため、愛犬の様子をよく観察し、原因を特定することが大切です。
食欲不振の原因を探る
犬の食欲不振の原因として、よくあるものを紹介します。
- わがまま・偏食
おやつや人間の食べ物など、嗜好性の高いものばかりを与えていると、ドッグフードを食べなくなることがあります。 また、「食べなければ、もっと美味しいものが出てくる」と学習し、わがままになってしまうこともあります。
- 環境の変化・ストレス
引っ越し、家族構成の変化、新しいペットの迎え入れ、長時間の留守番、騒音など、環境の変化やストレスが原因で、食欲が低下することがあります。
- 加齢
加齢とともに、嗅覚や味覚が衰えたり、消化機能が低下したり、代謝が落ちたりすることで、食欲が低下することがあります。 また、歯周病などで歯が痛くて食べられない、ということもあります。
- フードの問題
フードの味や匂いが気に入らない、食感が気に入らない(硬すぎる、パサパサしているなど)、フードが酸化して風味が落ちている、フードの原材料が体に合わない(アレルギーなど)といった理由で、フードを食べなくなることがあります。
- 運動不足
運動不足は、食欲不振の原因の一つです。 運動量が減ると、消費カロリーが減り、お腹が空きにくくなります。
要注意!病気の可能性も…
食欲不振は、様々な病気のサインである可能性があります。
- 口腔内のトラブル: 口内炎、歯周病、歯の破折など
- 消化器系の病気: 胃炎、腸炎、膵炎、便秘、下痢など
- 内分泌系の病気: 甲状腺機能低下症、糖尿病、クッシング症候群など
- 感染症: 犬パルボウイルス感染症、犬ジステンパーウイルス感染症など
- その他: 腎臓病、肝臓病、心臓病、がんなど
食欲不振に加えて、
- 嘔吐
- 下痢
- 元気がない
- 水をたくさん飲む
- おしっこの量や回数が多い
- 体重減少
- 呼吸が荒い
などの症状が見られる場合は、すぐに獣医さんに相談しましょう。
早期発見・早期治療が大切
病気が原因で食欲不振になっている場合は、早期発見・早期治療が非常に重要です。 「様子がおかしいな」と感じたら、自己判断せずに、必ず獣医さんに診てもらいましょう。
放置するとどうなる?食欲不振のリスク
食欲不振を放置すると、以下のようなリスクがあります。
- 栄養失調: 体に必要な栄養素が不足し、成長不良、免疫力低下、貧血などを引き起こす可能性があります。
- 低血糖: 食事量が少ないと、血糖値が下がり、低血糖症を起こす可能性があります。 低血糖症は、命に関わることもあるため、注意が必要です。
- 脱水症状: 食事と一緒に水分を摂取することができず、脱水症状を引き起こす可能性があります。
- 病気の悪化: 基礎疾患がある場合、食欲不振によって病状が悪化する可能性があります。
食欲不振の愛犬に、飼い主さんができること
愛犬の食欲不振を改善するためには、まず、原因を特定することが大切です。 原因が特定できたら、以下の方法を参考に、愛犬に合った対策を講じましょう。
1. 動物病院を受診する
食欲不振が続く場合や、他に気になる症状がある場合は、まず動物病院を受診し、病気の有無を確認してもらいましょう。 獣医さんは、問診、触診、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行い、食欲不振の原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。
2. 食事の与え方を見直す
病気が原因でない場合は、食事の与え方を工夫することで、食欲を改善できる可能性があります。
- 食事時間: 毎日、決まった時間に食事を与えることで、生活リズムを整え、食欲を安定させることができます。
- 食事回数: 成犬の場合は、1日2回が一般的ですが、食欲不振の犬の場合は、1日の食事量を3~4回に分け、少量ずつ与えるのがおすすめです。 シニア犬の場合は、消化機能が低下しているため、さらに回数を増やしても良いでしょう。
- 食事場所: 人通りが多い場所や、テレビの近くなど、騒がしい場所は避け、愛犬が安心して食事できる場所を選びましょう。 他の犬や動物がいると、気が散って食事が進まないことがあります。 他の犬や動物から離れた場所で、食事を与えましょう。
- 食器: 愛犬の首や腰に負担がかからない高さの食器を選びましょう。 床に直接置くのではなく、台の上に置くのがおすすめです。 陶器やステンレス製の食器は、プラスチック製の食器よりも清潔に保ちやすく、おすすめです。 浅くて広い食器は、鼻ぺちゃ犬種(フレンチブルドッグ、パグなど)でも食べやすいです。 早食い防止の突起がついた食器も、食べ過ぎ防止に効果的です。
3. フードを見直す
食事の与え方を見直しても、食欲が改善しない場合は、フードを見直してみましょう。
嗜好性: 犬は嗅覚が優れているため、香りの良いフードを好みます。 肉や魚の香りが強いフードや、出汁の香りがするフードなどがおすすめです。 また、食感も重要です。 ドライフード、ウェットフード、半生フードなど、様々な食感のフードがあるので、愛犬の好みに合わせて選びましょう。
消化のしやすさ: 消化機能が低下している犬や、シニア犬には、消化吸収の良いフードがおすすめです。 原材料: 消化しやすい食材(鶏肉、白身魚、米など)を使用しているフードを選びましょう。 調理法: 加熱処理されたフードは、生肉や生魚よりも消化しやすいです。
温める・ふやかす: フードを温めると、香りが立ち、食欲を刺激することができます。 ドライフードの場合は、人肌程度に温めたお湯や、犬用スープなどを少量かけるのがおすすめです。 また、ドライフードをぬるま湯でふやかすと、柔らかくなり、消化しやすくなります。
トッピング: いつものフードに、愛犬の好きな食材を少量トッピングするのも効果的です。
おすすめのトッピング:
- 茹でた鶏ささみや胸肉(低脂肪・高タンパク質)
- 茹でた野菜(カボチャ、ニンジン、ブロッコリーなど)
- ヨーグルト(無糖)
- 果物(リンゴ、バナナなど)
ただし、与えすぎには注意しましょう。 また、アレルギーを持つ犬には、アレルゲンとなる食材は避けてください。
4. 生活環境を見直す
- ストレス対策: 愛犬のストレスの原因を把握し、できるだけ取り除くように努めましょう。 引っ越し、家族構成の変化、新しいペットの迎え入れ、長時間の留守番、騒音など、犬にとってストレスとなる要因は様々です。 愛犬とのコミュニケーションを増やし、安心できる環境を整えてあげましょう。
- 運動不足解消: 適度な運動は、食欲増進に効果的です。 毎日、愛犬の体力や体調に合わせて、適度な時間、散歩に連れて行きましょう。 室内でも、ボール遊びや引っ張りっこなど、一緒に遊んであげる時間を作りましょう。
食欲がない時のフード、選び方のポイント
食欲がない時は、以下のポイントを参考にフードを選びましょう。
嗜好性の高いフード
犬は嗅覚が優れているため、香りの良いフードを好みます。肉や魚の香りが強いフードや、出汁の香りがするフードなどがおすすめです。 また、食感も重要です。ドライフード、ウェットフード、半生フードなど、様々な食感のフードがあるので、愛犬の好みに合わせて選びましょう。
消化の良いフード
消化機能が低下している犬や、シニア犬には、消化吸収の良いフードがおすすめです。 原材料に、消化しやすい食材(鶏肉、白身魚、米など)を使用しているか、加熱調理されているかなどを確認しましょう。
栄養価の高いフード
食欲がない時は、少量でもしっかりと栄養が摂れる、栄養価の高いフードを選びましょう。 高タンパク質、高カロリーのフードがおすすめです。
ウェットフード
ドライフードよりも水分量が多く、香りが強いため、食欲を刺激しやすいです。 また、柔らかいため、噛む力が弱い犬や、シニア犬にもおすすめです。
食欲不振の愛犬におすすめ!簡単レシピ
ここでは、食欲がない時におすすめの、簡単手作りレシピを紹介します。
材料
- 鶏むね肉(皮なし)…50g
- カボチャ…30g
- ニンジン…20g
- ブロッコリー…20g
- 白米(柔らかく炊いたもの)…30g
- 水…150ml
- 犬用かつおぶし…少々
作り方
- 鶏むね肉は、小さく切る。
- カボチャ、ニンジン、ブロッコリーは、柔らかく茹でて、細かく刻む。
- 鍋に、鶏むね肉、カボチャ、ニンジン、ブロッコリー、水を入れて、煮る。
- 鶏むね肉に火が通ったら、白米を加えて、混ぜ合わせる。
- 器に盛り付け、犬用かつおぶしをかける。
与える際の注意点
- 人肌程度に冷ましてから与えましょう。
- 初めて与える場合は、少量から始め、様子を見ながら徐々に量を増やしていきましょう。
- アレルギーを持つ犬には、アレルゲンとなる食材は避けてください。
- このレシピはあくまで一例です。 愛犬の体調や好みに合わせて、食材や量を調整してください。
- 手作り食は、栄養バランスが偏りやすいというデメリットもあります。 獣医さんやペット栄養管理士に相談しながら、適切なレシピを作成するようにしましょう。
まとめ: 愛情と工夫で、愛犬の「美味しい!」を引き出そう
愛犬の食欲不振は、飼い主さんにとって、本当に心配なものです。 しかし、諦めずに、原因を探り、適切な対策を講じることで、愛犬の食欲を改善し、健やかな毎日をサポートすることができます。
今回ご紹介した情報を参考に、
- 動物病院を受診する
- 食事の与え方を見直す
- フードを見直す
- 生活環境を見直す
など、愛犬に合った食欲不振対策を実践してみてください。
そして、嗜好性が高く、消化吸収の良い、栄養満点なフードや、飼い主さんの愛情がたっぷり詰まった手作り食なども、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
愛犬の「美味しい!」という笑顔は、飼い主さんにとって、何よりの喜びです。 愛情と工夫で、愛犬の食生活を豊かに彩りましょう!